『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
2014年度作品
監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、
マーク・ストロング、ロイ・キニア、チャールズ・ダンス、ほか
原題:The Imitation Game
配給:ギャガ
観てる前提なので、ストーリー・設定などは省略する。
実話ネタ映画は派手に持ったストーリーになることが多い。それはしかたないとし
て許容するが、あからさまな嘘は看過できない。
暗号解読に成功した直後、英国の旅客船団が襲撃されることをつかみながら、解読
チームはそれを封印した。そこで相手の裏をかくと、解読したことがドイツ軍側に知
られてしまうから。船団を犠牲にしてまでも解読の事実を秘密にし、より効果的なタ
イミングでその情報を利用する、というのが理由。
解読チームがこの決断を下したことになっている。ありえないと思う。こういった
大局的な戦略は、数学屋ではなく軍部が下すものだ。当時、解読チームは成果を上げ
られなくて焦っていた。そんな時に「まだ解読できていません」を通すことができる
のか。無理にきまってるだろう。
映画は嘘をついている。英国政府や軍部に批判が殺到するのを恐れ、責任を解読チ
ームに押しつけている。チームの存在を戦後も隠し続けたのも、英国人を犠牲にした
ことへの批判を回避するためだ。
この映画、それを除けば面白いサスペンス映画になっている。そこのところは認め
てあげよう。
2022.11.7