省略のススメ

短くつづめることで文章力が増す魔法の力




省略のススメ



 文章の基本は端的な表現にあります。長けりゃ立派と錯覚してる人がいますが、そんなことはありません。短くつづめることで言葉が鋭くなり、強度が増す。端的な文章はきりっとエッジが立ち、読み手の心に深く入り込む。

 僕が編集する冊子では長すぎる原稿を筆者に無断でぶった切ることがあります。極端なときは元の2割3割に圧縮する。内容はまるで変わらない。ヴォリュームだけ縮まる。やればできるんです。

 無駄にふくらむ要因はいくつかある。書く必要のないわかりきったことまで書きたがる。意味の重複。強調や調整用語の乱用。端的な表現を見つけることをしない怠慢。無用な接続詞の使用。その他、つづめる、切れる部分はいくらでもある。

 文章を整理する一例。「結局のところ、努力不足であった可能性は否めない。」を、最低で何文字にまで縮められるでしょうか。正解は4文字(句点を除く)。「努力不足」。ほかはいらない。

 会話文のような語りかけるような文章は親しみやすい。短文で使うのはいいんですが、分量の多い文章でえんえんやるとだらける。会話調でうまい例は、本人の文章センスがいいか、編集者が直してるか、のどっちか。素人が真似すると目も当てられない。

 必須と思える言葉でも無用なものがある。「だから」「それで」「しかし」のような接続詞は抜いても意味は通じる。というより、抜いたほうがすっきりする。

 強調語、抑制語、調整語のたぐいはなるべく使わないようにしましょう。以下に挙げるもののことです。使わずに一語でぴしっと表現しましょう。
 じつに、ほんとに、まさに、やはり、もう、なにか、まったく、ぜんぜん、ずいぶん、ひたすら、ちょっと、やや、ていうか。

 「思い起こせば」とか「よくよく考えてみれば」といった、もったいぶった前置きは全部抜いてズバッと結論を書く。抜く前と比較してみるといい。表現としてより鮮明になっている。

 細かいが、「が」抜き言葉(興味ある)、「を」抜き(種まいた)、「へ」抜き、「に」抜きなどもある。

 体言止めも有効。体言(名詞・代名詞)で終わる文が体言止め。文章が引き締まります。何度も続けるとくどくなるので、ほどほどに。

ひょっこり通信 2014.2.16




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