中国の未来予想図




中国の未来予想図



 5年ぐらい前から熱心に中国ウオッチングをしてます。中国へは一度も行ったことがなく、中国人と会ったこともありません。新聞・書籍・雑誌・メルマガ・ネット情報など、見つけ次第とことん目を通してます。

 中国は過去に民主主義を経験したことがないという、全世界の歴史上でも大変珍しい国です。そんな国が人口で世界一であり、GDPは2位。13億超の人口を背景に経済大国となった。経済力をバックに周辺国へ圧力をかける傾向が強まっている。

 予測では、いずれ経済規模で米国を追い抜く。一党独裁の強権国家が世界のトップに立ち、国際社会を牛耳るという未来が実際にありうるのか。そこが気になる。

 独裁国家が世界一の経済大国になれないわけではない。中国は、一握りの政権幹部の権益のため、世界全体を犠牲にすることをいとわない。そういう恐ろしい事態は避けたい。この国の行き先に関しては十分注意する必要がある。

 中国は固有の弱点を数多く抱えている。人口構成のアンバランスは一人っ子政策によってもたらされた。遠からず、超高齢化社会が出現する。余裕のある今のうちに社会保障システムを完備させておくべきだが、そんな動きは見当たらない。

 1978年に改革開放が始まり、経済格差が広がった。中国ではごく一部の者たちだけが経済発展の恩恵を受けている。大半の中国人はいくら頑張っても経済勝者になれない。革命でも起こって社会全体がひっくり返らないかぎり、多くの人たちは自分が浮かび上がれないことを知っている。

 経済格差は中国社会をあまねく覆う。都市と農村、沿岸部と内陸部、知的労働と肉体労働。それらすべてに差別意識がからむ。貧しいものは富めるものに見下される。中国では、建前上の平等とは裏腹に、差別意識が根強い。

 自由は長らく抑圧され、民主主義世界から隔絶されている。インターネットや留学など、外部との交流により中国人の多くは中国の現実を以前よりよく知っている。国内報道がまるで信用ならないことも知っている。抑圧をストレスと感じているはずだ。

 近年の都市人民の認識の変化は、政府を監視と抑圧へと向かわせている。いつなんどきひっくり返されるかわからないという不安が、政府をより強硬なほうへ駆り立てる。過剰反応で逆効果。むしろ別方面、農村や内陸部の不満の爆発のほうが政府に決定的な打撃を与えそうに思える。

 一党独裁国家であることと矛盾するようだが、党中央の指示に末端は従わないことが多々ある。彼らの多くは私益を追求しようとするあまり、抜け道ばかりを考えている。社会全体を覆う腐敗は、いくら政権トップが根絶しようと努めてもなくならない。トップクラス自身が私益追求に汲々としているから、下のものたちは従わない。総身が大きすぎて政権の意向が届いてないのが現状だ。

 ほとんど報道されないが、中国人民軍は政権内で大きな力を持っている。党中央のコントロールは及んでいない。党にとって大きな不安要因になっている。

 外国通貨と人民元との為替レートは、人民銀行が米国債券の売り買いを通じて厳密に管理し、米ドルとのレートを一定にしている。為替管理してることを中国政府は認めてないが、周知の事実だ。

 中国政府は人民元レートを極端に低く維持し、国ごとダンピングし、商品シェアの拡大をもくろんでいる。外国の産業をたたきつぶし、市場占拠しようとしているかのようだ。他国から無法行為をいくら非難されても改める気配はない。

 この反則行為には少しほころびが見え始めている。インフレと賃金上昇圧力がそれ。いつまでも「安い中国製品」ではなくなるかもしれない。

 「金のためなら命も惜しまない」と揶揄されるほどの拝金主義が中国人全体に染みついている。売ったもの勝ちで、あとは野となれという考えなので、環境にも顧客にも配慮はしない。人民の拝金主義は国益を損なっている。

 中国商人は客が不満を感じても意に介さない。顧客の利便性や満足、快適さといったものを追求する姿勢はない。こうした商慣習は長い目で見れば不利になるが、それを認識しようとする気配すら見えない。

 中国人民の美点で、進取の気性に富む、というのがある。内向きの日本人は大いに見習うべきだが、この点では日本人がいくら頑張っても勝てない。逆に、日本人にあって中国人に欠けているものは、創造性(creativity)と想像力(imagination)。長年にわたる中国共産党の教育システムがその二つを奪い去っている。

 中国の教育は、党に都合のいいように歪曲して教え込むのみで、自由で自主的な思考は認められていない。教師に質問することすら実質的には許されていない。硬直化した教育環境で育った彼らは、外国へ留学して困惑する。「自由に書いてください」と言われ、頭が真っ白になる。ひたすら教師の言うことを書き写すのみだった彼らに、自由な思考能力は育っていない。

 民主主義の経験がないことは彼らの人格形成に深刻な影響を及ぼしている。猿真似はできても、自ら新しい発明や思想、文化コンテンツ、技術、製品を生み出すことができなくなってしまった。このことは中国の未来に大きな影を落とす。ある日、突然下り坂。本人たちは直前まで気づかない。ということは十分ありうる。

ひょっこり通信 2011.9.11




推論をたどる ・・・中国の反日デモを読み解く

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